- 2026-2-28
- カルチャー
- 林家たい平の声で事故防止!バス車内にユーモア啓発アナウンス はコメントを受け付けていません
国土交通省は2026年2月25日(水)に「バス車内事故防止」啓発アナウンス発表会を、木馬亭(東京浅草)にて開催した。当日は、アナウンスを担当した落語家・林家たい平が登壇し、実際の車内アナウンスが披露された。
■林家たい平が呼びかけ、ユーモアで伝えるバス車内事故防止
乗合バスで発生する事故のうち、約3割は走行中の車内で起きている。ブレーキや発進時の揺れによって乗客が転倒し、負傷する「車内事故」だ。とりわけ高齢者の被害が目立つ。令和2年から令和6年までの5年間で1,359件発生し、負傷者の約半数を65歳以上が占めている。
こうした状況を受け、落語家・林家たい平が車内アナウンスを担当。ユーモアを交えながら、バスが完全に停車する前に立ち上がらないことや、走行中はつり革や手すりにしっかりつかまることを呼びかけている。
アナウンスは全7パターンを制作し、全国の乗合バス車内での放送を通じて、利用者一人ひとりの意識向上を図る。
■国交省、車内事故を重要課題に位置づけ
国土交通省 物流・自動車局安全対策課の太田誠一氏は、今回の取り組みについて、事業用自動車全体の事故防止対策の一環であると説明した。バスやトラック、タクシーなどの安全対策を進める中で、乗合バスにおける「車内事故」の割合が高いことを深刻に受け止め、重点的な対策を講じる必要があると判断したという。
車内事故は、発進や走行中の揺れ、急ブレーキなどにより乗客が転倒し負傷するもの。太田氏は「事故全体の中でも無視できない割合を占めている」とし、継続的な対策が求められていると強調した。
太田氏は、事故防止に向けては事業者側の努力も重要だとした上で、「運転士による安全運行の徹底だけでは、車内事故を大幅に減らすことは難しい」と指摘。そのうえで、利用者一人ひとりの行動が事故防止につながるとの認識を示した。
具体的には、バスが完全に停車するまで立ち上がらないことや、走行中はつり革・手すりにしっかりつかまることなど、基本的な行動の徹底が重要だと強調。「利用者の協力があってこそ、事故は減らせる」と理解を求めた。
■動画に続く新たな施策、高齢化社会を見据えた安全対策
同省では昨年、車内事故防止を呼びかける啓発動画を制作し、注意喚起を行ってきた。しかし、さらなる意識向上を図るため、より多くの世代に届く方法として今回の車内アナウンス制作に至ったという。
太田氏は「これまでの取り組みに加え、新たな手法でメッセージを届けたい」と述べ、継続的かつ段階的に施策を強化していく姿勢を伝えた。
また、今後さらに高齢化が進む中で、車内事故はより重要な安全課題になるとの見方も示した。特に高齢者は転倒によるけがが重症化しやすく、生活への影響も大きいことから、早急な対策が必要だとしている。
太田氏は「1件でも事故を減らしたい」と語り、今回のアナウンス放送が事故防止につながることに期待を寄せた。
■バス愛を語る林家たい平、スマホ操作に警鐘
発表会当日、林家は普段の着物とは違い、バスの運転士の制服姿で高座に登場した。
普段からバスに乗ることが多いということで「浅草から上野の寄席に行くときに乗っていて、ゆったり乗れてすてきな時間です。あと、僕たちの大先輩たちは東京都のバスの無料のバスがありますから。意外とバスの時刻表を頭に入れていて、普通15分くらいの高座があるんですけど、『あれ、今日師匠8分で降りたな』と思ったら、『いや、バスの時刻があって』と言って、お客さんよりもバスの時刻優先で。そういう人がたくさんいるので、僕たちにとってバスはすごく密接な関係で、日常的に大切なものという意識があります」と、自身だけでなく、周りの落語家もバスを愛用していると語った。
また、バスでの転倒事故については「最近は特に立ちながらスマートフォンを操作している人が多いですね。一瞬、つり革や手すりから手を離したすきに事故や急ブレーキの可能性がありますから」と、油断がリスクになることを伝えた。
つづけて「若いから大丈夫だろうと思っている人も多いですが、若くても急ブレーキには耐えられないので、グラっと体勢が崩れて隣で手すりにつかまっているおじいちゃん、おばあちゃんにぶつかって、その方々が倒れてしまうということを、実際に僕は見ました」と、体験談を話し、車内でのスマートフォン操作の危険性と、しっかりとつり革や手すりにつかまる重要性を説いた。
■二次転倒を防ぐために「座れれば座る」
転倒事故でけがをしてしまう多くの方は高齢者ということで、林家は「啓発VTRにもある内容ですが、『まず座る』ことがとても大切。日本人はマナーがすごくできてるので、優先席があると座っちゃいけないと思ってしまいますが、優先席は優先なので、先輩が来た時には譲ってあげればいいだけで、なるべく皆さん、『座れれば座る』という状況がすごくいいと思うんですよね」と、座ることの重要性と年齢問わず優先席を利用してもいいことを伝えた。
また、実際に転倒事故が起きた例として「バスの中ではないですけど、私の父も転んでから急に衰えてしまい、車いす暮らしになってしまった。もう引退した師匠も、自宅の玄関で転倒し大腿骨を骨折したことがありました。お年を召してからは回復するのが時間がかかり、その間に体力が衰えていき、また二次、三次の転倒が起きて、本当に歩けなくなってしまうということを身近ですごく感じています」と、身近な人々の転倒による後遺症を説明した。
■「しっかりと心に届く声で」アナウンスに込めた思いを語る
「バスの発進時は揺れますので、転倒によるけがを防止するため、座席にお座りになるかお立ちの方は手すりやつり革にしっかりとおつかまりください。私も座布団の上にはしっかり座るようにしています」
以上は7パターンあるうちの一つ。前半で注意喚起を伝え、後半では林家が出演している『笑点』を想起させるフレーズでユーモアも織り交ぜている。
ナレーション収録の際に気をつけていた点について、林家は「お年寄りの方の耳にしっかりと届く声で、しっかりと意味を伝えること。すらすらすらっとかっこよく言うのではなくて、しっかり心にちゃんと届く言葉で伝えたいという、それはすごく思いとして強かったです」と振り返った。
また「ぜひこのナレーションを聞いていただいて、みんながそうだそうだと思って、それで横にいる人が『おばあちゃん、座れるんだったら座ってください』と。若い人もなかなか今言えないじゃないですか。本当は、『つり革捕まった方がいいよ』というように、コミュニケーションの中でうまくできればいいんですが、なかなか言いにくいので、このナレーションがきっかけになればいいなと思っています」と、コミュニケーションの重要性を強調した。
■サプライズでオリジナルキャラを発表
トークセッションの終盤、国交省の事故を減らしたいという思いに触発され、バス車内事故の啓発に繋がるようなオリジナルキャラクターを考案し、制作したということで、イラストを発表した。
そのキャラクターとは「つり革おにぎり君」と「手すりおにぎり君」の二つ。可愛らしいおにぎりのキャラクターだが、つり革と手すりにしっかりつかまる姿が描かれている。
林家は「国交省の部署の部屋に飾ってもらえるように、勝手にキャラクターを作りました」と話し、サプライズでプレゼントされた。
高齢化が進む社会において、車内事故は今後ますます重要な課題となるだろう。動画に続く“耳からの啓発”は、日常の移動空間に溶け込みながら意識を変える試みだ。たい平の温かな声が、バスという身近な公共空間を、少しでも安全な場所へと変えていくことに期待したい。
テクニカルライター 後藤 響平
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代表取締役・ITライフハック代表
ITライフハック編集長・ライター
ITライフハック副編集長・ライター
