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パナソニック株式会社は、2025年7月2日（水）から7月4日（金）まで京都市で開催された国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025 KYOTO」に出展。医薬品輸送向け次世代型真空断熱保冷ボックス「VIXELL（ビクセル）」を用いたデモンストレーションを行い、来場者に“保冷技術の革新”を強く印象づけた。

■ 電源不要で18日間の超低温を実現する保冷技術
パナソニックが開発した「VIXELL（ビクセル）」は、電源不要で長時間温度を維持できる真空断熱保冷ボックスである。一体成形の真空断熱構造「VIC（Vacuum Insulated Case）」を採用し、-75℃±15℃の超低温環境を最長18日間維持するという、驚異的な性能を誇る（Type-Lモデルの場合）。




さらに、外装に樹脂素材を採用することで、落下衝撃などによる真空断熱層の破損を防ぐ堅牢な構造を実現。保冷剤やドライアイスを用いる“パッシブ型”でありながら、冷蔵（2～8℃）や定温（15～25℃）など、複数の温度帯に1台で対応できる“マルチユース設計”も特長のひとつである。

また、IoT機器との親和性にも優れており、温度ロガーやGPSデバイスを内蔵しても通信が遮断されることなく、庫内温度や位置情報をリアルタイムで把握できる。加えて、非接触で真空度を確認できるセンサーも内蔵しており、保冷性能の健全性を簡単にチェックできる。







■ 野菜アイスで魅せる！IVS会場で“溶けない驚き”を演出
IVS2025では、スタートアップ支援ファンド「くらしビジョナリーファンド」の出資先である「坂ノ途中」とのコラボレーションが実現。オクラやトマトを使用した野菜アイスをVIXELL Box内で保管・提供する体験企画が行われた。

展示期間中は猛暑が続いたにもかかわらず、アイスは4日間まったく溶けることなく提供され、来場者からは「本当に冷凍庫なしで？」「商品化してほしい」といった驚きと称賛の声が寄せられた。保冷性能の高さを“体験”として伝えることで、技術への理解と関心を自然に引き出す絶妙な演出となった。




また、7月3日に開催されたIVS公式サイドイベント「くらしに惚れナイト」でも、同アイスが提供され、アウトドア用途をはじめとしたBtoC展開の可能性にも注目が集まった。

■ 高品質医薬品輸送の現場で続々と導入
VIXELLは、すでに多くの導入実績を誇る。たとえば、医薬品卸大手のスズケンでは、全国の医療機関への定温配送にVIXELLを導入し、冷蔵車を使用せずに安定した温度管理輸送を実現している。国際物流業者の日新では、パナソニックと協業し、-70℃帯での長距離輸送をリアイス（保冷剤の追加）なしで完結するサービスを提供している。

また、北海道・せたな町国保病院では、災害時のバックアップ冷蔵庫としてVIXELLを導入し、院外でのワクチン臨時保管にも活用。関西の医療モール管理会社では、冷蔵設備工事中の仮設保冷庫として活躍するなど、病院や研究機関においてもその汎用性が高く評価されている。

■ オープンイノベーションから生まれた新事業モデル
今回の展示では、パナソニックが自社の新規事業開発センターからくらしアプライアンス社へVIXELL事業を譲渡（EXIT）し、スタートアップとの共創を実現した経緯についても紹介された。オープンイノベーションを通じて新たな市場を創出する好例として、IVSの場で技術と実績を広くアピールする機会となった。

スタートアップとの共創による「食」と「健康」をテーマにした今回の展示は、単なる製品紹介にとどまらず、社会課題に寄り添う先進技術としてのVIXELLの可能性を強く印象づけた。今後のさらなる用途拡大やグローバル展開にも、大きな期待が寄せられている。

■VIXELL公式サイト
■坂ノ途中公式サイト

■IVS2025 公式サイト
■IVS2025 特設サイト - ITライフハック

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