- 2024-12-24
- モバイル
- 40を超えるエクササイズのトラッキングが可能!新次元のスマートウォッチ「Google Pixel Watch 3」レビュー はコメントを受け付けていません
Googleの最新スマートウォッチ「Google Pixel Watch 3」が、ついにそのベールを脱いだ。進化したヘルスケア機能、洗練されたデザイン、そしてGoogle独自のAI技術が詰まったこのデバイスは、スマートウォッチの新たな基準を打ち立てていると言っても過言ではない。「Google Pixel Watch 3」をお借りして使ってみたのでレビューしよう。
■まずは外観からチェック
Google Pixel Watch 3(以下、本機)は、その名の通りGoogle Pixel Watchシリーズの第3世代モデルである。筆者はPixel Watchシリーズの初代から2代目までを継続して使用しており、今回の3代目ではバッテリーの持ちが向上したと聞き、実際に試してみたいと思っていたところだ。
従来と同様に丸いドーム状のスタイリッシュでスッキリとしたデザインは、ほぼ変更がない。薄く軽量であり、スポーツやビジネスなどさまざまなシーンにマッチするデザインとなっている。
本体は直径41mmと45mmの2つのサイズが用意されている。41mmモデルは手首に馴染みやすく、小柄な方や女性にも適している。一方、45mmモデルはより大きなディスプレイを求めるユーザーに最適である。
リストバンドは、両モデルともSサイズとLサイズの2種類が同梱されている。同じサイズ表記でも長さが異なるため、購入前に公式ホームページで確認するのが良いだろう。バンドの素材は「フロロエラストマー」と呼ばれる耐熱性や耐薬品性に優れたフッ素ゴム系素材で、柔らかく丈夫であるため、長時間の着用でも快適さが保たれる。
カラーバリエーションは付属のリストバンドの色の違いで区別されており、41mmモデルはObsidian、Porcelain、Hazel、Rose Quartzの4色、45mmモデルはObsidian、Porcelain、Hazelの3色が用意されている。
今回お借りしたのは41mmモデルで、カラーはHazelである。41mmモデルはPixel Watch 2と外観がほぼ同じだが、ベゼルが細くなったことでディスプレイの有効面積が10%拡大している。
リストバンドと本体の接続には、シリーズ共通の独自コネクタが使用されている。22mmの標準的なバンドを使いたい場合は、Amazonなどで市販されているPixel Watch用アダプタを購入すると良いだろう。筆者もいくつか持っているが、このようなカスタマイズが可能であるのは、人気機種ならではの魅力である。
前世代の Pixel Watch 2(左)と本機(右)。ベゼルの幅がやや狭くなり表示エリアが若干広くなったのが確認できる。
■基本スペックをチェック
基本スペックを振り返ってみよう。
本体のサイズは直径41mm/45mm、高さ12.3mm、重さ31g/37g(ストラップを除く)。ディスプレイは有機ELで、320ppiの解像度を持ち、色再現性や応答性にも優れている。
ディスプレイの最大輝度は2,000ニトで、前モデルと比較して約2倍の明るさになっており、炎天下でも視認性をある程度確保できる。実際に最大輝度ではまぶしいほどの明るさである。
通信機能としては、従来通りWi-Fi、Bluetooth、NFC(FeliCa)が用意されており、さらに4G LTE対応モデルも選択可能である。GPSをはじめ、世界の主要な位置情報サービスに対応している点も魅力だ。防水・防塵性能はIP68準拠であり、日常生活では十分な性能を備えている。
■各種センサーによるトラッキング機能
筆者は運動はあまりしないものの、健康のために日頃からよく歩くことと睡眠の質には気を配っている。Pixel Watchは各種センサーを活用して、体の状態をほぼ24時間モニタリングしてくれる。これらのデータはスマホ上のFitbitアプリでグラフ化され、詳細な解説が表示されるため、さまざまな気づきを得ることができる。これにより、改善策を検討する手助けとなり、なかなか役に立つ機能である。
ウォーキングだけでなく、ランニングやサイクリングなど、40を超えるエクササイズのトラッキングが可能である。さらに、トラッキング結果を解析し、さまざまなアドバイスを提供する機能も充実しているため、これをメインに活用するのも良さそうだ。
■アプリとウォッチフェイスで好みの時計に
本機はWear OSを搭載しており、Androidスマホと同様にGoogle Playからアプリをダウンロードして利用することができる。また、ウォッチフェイスも充実しており、自分好みのデザインにカスタマイズできる点が魅力である。
筆者が初代Pixel Watchを使い始めた頃は、シンプルで気に入ったデザインのウォッチフェイスはいくつかあったものの、日時、曜日、歩数、電池残量を同時に表示する見やすいデザインには満足できなかった。しかし、ようやく私のニーズに合ったウォッチフェイスが追加され、現在はこれを愛用している。ウォッチフェイスのデザインは確実に充実してきているようだ。
各種設定の画面。
アプリのアイコン。この画面から各アプリを起動できる。
最近のお気に入りのウォッチフェイス。日付、曜日、時刻、バッテリー残量、歩数、気温などが一度に確認できる。
■バッテリーの持ちは大幅改善
冒頭でも触れたが、気になるバッテリーの持ちはどうだったのか。結論から言うと、大幅な改善がなされたと言える。初代および2代目のPixel Watchで一番の欠点と感じていたのは、電池の持ちが悪い点であった。1日に1~2回充電しなければ電池切れになってしまい、それ以外の点は非常に気に入っていたものの、この点だけは残念で仕方がなかった。
では、本機Pixel Watch 3はどうか。90%充電の状態から普段通りに使用し、約43時間連続で使用できることを確認した。丸2日(48時間)には届かなかったが、1日半以上持続したのは大きな進歩である。これにより、1日1回の充電で確実に電池切れなく過ごせるようになりそうだ。さらに、充電タイミングが多少遅れても余裕を持てるようになった点もありがたい。
もちろん、他社のスマートウォッチには数週間充電なしで使える機種もあるため、Pixel Watch 3のバッテリー持続時間が目立って優れているとは言えない。しかし、最低限の合格ラインには到達したと評価できる。
一方、充電時間についても確認してみた。ほぼ0%の状態から100%まで満充電するのに約1時間を要した。実測では1.5~2Wの充電出力であった。上記の結果は、41mmモデルでの検証結果である。45mmモデルはバッテリー容量が異なるため、結果は異なる可能性がある。
なお、「普段通りに使って」と記したが、これは画面を「Always ON(常に表示)」の設定で使用している状態である。この機能について少し補足しておきたい。
スマートウォッチでは省電力のために画面表示を完全にオフにすることが一般的であるが、これには欠点がある。例えば、突然時刻を確認したい場合に、表示がオンになるまでのタイムラグが発生することだ。一方、機械式の時計では、手首を動かすだけで即座に時刻を確認できるのが当然であり、これこそが腕時計の本来の魅力である。
Pixel Watchシリーズでは、この課題に対応するため、ウォッチフェイスのデザインを2段階に分け、省電力ながら時刻表示が維持される「Always ON」モードが搭載されている。このモードでは秒針を非表示にするなど、一部の機能を簡略化しているが、手首を軽くひねるだけで時刻を確認でき、腕時計としての利便性が損なわれない。さらに、Always ONモードをオフにすることで、さらなる省電力設定も可能である。
このように、細やかな工夫が積み重ねられており、Pixel Watch 3はバッテリー持続時間が大幅に改善されたと言える。ユーザーとしても非常に興味深い進化である。
■完成度、魅力度がアップしたPixel Watch
本機をお借りしてしばらく使用した結果、完成度が高まり、魅力がさらにアップしていることを実感した。上記で書ききれなかった細かな点にも改良が施されており、筆者自身もまだすべてを発見しきれていないかもしれない。
特に、一番の弱点とされていたバッテリー問題が解決された点は大きい。これにより、さらに多くの人に自信を持っておすすめできる製品となった。今回、41mmモデルに加えて、画面とバッテリーが少し大きい45mmモデルが追加されたことで、選択肢が広がった点も嬉しいポイントである。
41mmモデルでは、ベゼルが若干狭くなったことで画面が広くなり、わずかな違いながらも使いやすさの向上に寄与していると感じた。ただし、三井住友VisaカードのVisaのタッチ決済には対応しておらず、iD決済(デビットカード扱い)になってしまう点は、現時点で改善されていない。この点はやや残念ではあるものの、Suicaにはしっかり対応している。価格は、41mmモデルが52,800円、45mmモデルが59,800円(税込、Web直販価格)である。
Pixel Watch 3は、完成度が向上し、スタイリッシュでぜひともおすすめしたいスマートウォッチである。
テクニカルライター 鈴木 啓一
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fusho