DDR4モデルはカラーリングが赤から黒へ! Kingstonの「HyperX SAVAGE」DDR4版を試す


KingstonことKingston Technologyの「HyperX」シリーズは、高性能を優先するユーザー向けのブランドに位置づけられるメモリーモジュールで、ユーザーたちからも、そう認識されている。その高い性能は、各種ベンチマークテストでも実証されてきた。

このHyperXシリーズは、用途別に種類が分かれており、それぞれにブランド名が付いている。それぞれのブランドで通常動作時のメモリークロックやCPUをクロックアップした際の追従性といった味付けが異なっているのだ。

■3種類のシリーズを持つHyperX DDR4メモリー
下からFURY、SAVAGE、PREADTORとなっており、FURYがKingstonのHyperXメモリーを初めて使う人向けの入門用とすれば今回紹介する「SAVAGE DDR4」の位置づけは、PCにかなり詳しくなってきて、BIOS設定変更等で積極的にPCの動作クロックをいじれる人向けということになる。

動作の安定性を重視しつつも、クロックアップを行っても、きちんと追従する高性能さをも併せ持つ、言い換えれば性能と信頼性を両立する位置に立つ製品となる。そしてPREADTORは、PCのシステムを限界まで引き出し、定格動作以上のクロックでシステムを動かそうとしたときにも、余裕で耐えてくれるエンスージスト向けの位置づけとなる。

■8GB×2枚、最大動作クロックが3GHzモデルを検証
今回取り上げるのは、「Savage Memory Black – 16GB Kit(2×8GB)」(型番:HX430C15SBK2/16)というモデル。メモリーの種類はもちろんDDR4で最大3000MHz動作で、Intel XMPプロファイルは「3000MHz,15-16-16,1.35V」および「2666MHz,14-14-14,1.35V」を持つ。非XMP時の標準は2133MHz,CL15-15-15,1.2Vとなっている。

8GB×2、最大3000MHz駆動の「HX430C15SBK2/16」

8GB×2、最大3000MHz駆動の「HX430C15SBK2/16」

■Intel XMP対応なので対応BIOSであれば簡単クロックアップ
「SAVAGE」には、3000MHz / 2800MHz / 2666MHzと、動作周波数の異なる3つのラインナップが用意されている。これに加え、メモリー容量の違いで8GB(8GB×1)/16GB(8GB×2)/32GB(8GB×4)/64GB(8GB×8)の組み合わせが用意される。基本的にはDDR4システムであるIntel Z100シリーズかIntel X99 Expressで使えるが64GB版だけは、Intel X99 Express向けとなる。今回の「HX430C15SBK2/16」はモジュールとしては最上位にあたり、3000MHzという高いクロックで動作する製品となっている。

DDR3版では基本カラーが赤となっていたが、これを黒へと変更。ただし、製品の性格はこれまで通りパワーユーザー、ハイエンドゲーマー、動画コンテンツクリエーターに向けた製品となる。一見するとFURYのモジュールと似ているように見えるが、比べてみるとデザインが異なるのがわかる。

SAVAGEロゴがないとFURYかと思ってしまうが・・・

SAVAGEロゴがないとFURYかと思ってしまうが・・・

上がSAVAGEで下がFURY。微妙にデザインが違うのがわかるだろう。

上がSAVAGEで下がFURY。微妙にデザインが違うのがわかるだろう。

ヒートシンクは、メモリーチップの高クロック動作時の冷却効率を考えてデザインされている。ちなみに通常時の定格動作時には、ほとんど発熱を心配するレベルではない。このヒートシンクはクロックアップ時の発熱対策が主、さらにホコリやゴミ等からメモリー基盤の保護という意味合いも持つ。

メモリー上部には、排熱を考慮しスリットが設けられている

メモリー上部には、排熱を考慮しスリットが設けられている

■安定動作重視でも高性能重視にも対応できる柔軟性
本製品の動作クロックは、標準で3000MHzであって、マザーボードの設定で3000MHz設定ができない場合使えないというのではない。むしろ2800MHz/2666MHzといった3000MHzより低いクロックで動作させることが基本となる。高クロック動作を重視していないユーザーでも通常の安定動作を目的としてSAVAGEを装着することももちろん可能だ。

■ベンチマークでメモリー性能をチェック
それでは早速、新ブランドの実力を拝見しよう。本製品はIntel XMPに対応しており、XMPが利用できるBIOSであれば、プロファイルを読み取って自動的に最適な設定を行ってくれる。なお2つのプロファイルが用意されていて、1つ目は「Profile 1: 3000MHz, 15-16-16, 1.35V」というものだ。1500MHzの倍速駆動でCASレイテンシー(CL)が11-14-14で動作電圧が1.35Vというものだ。もう1つが「Profile 2: 2666MHz,14-14-14,1.35V」で1333MHzの倍速駆動、CASレイテンシーが14-14-14、動作電圧が1.35Vというものである。そして非XMP時の標準は2133MHz,CL15-15-15,1.2Vとなっている。

XMP無効(2133MHz駆動)

XMP無効(2133MHz駆動)

XMP2666(2666MHz駆動)

XMP2666(2666MHz駆動)

XMP 3000(3000MHz駆動)

XMP 3000(3000MHz駆動)

なお2つある筆者のシステム構成のうち、Intel Z170とCore i5 6600Kのシステムでは、CPUがハズレだったようで4GHz超えにオーバークロックして起動すると3回に1回程度、Windows 10が極端に重くなる症状が出てしまった。

メモリーをHyperX FURYやノーブランド品に変更しても同様の症状が出たため、原因はメモリー周りでないと判断、そのためIntel X99のシステムでベンチを計測していることをあらかじめお断りしておく。CPUは定格3.3GHz(最大3.6GHz)のIntel Core i7-5820Kを使っている。

さて、ベンチマークテストの結果を紹介しよう。テストしたパターンは以下のとおり。

■デュアルチャネル時(8GB×2)
1)ノーマル動作(3.3GHz)
2)XMP有効(4.0GHz)
3)クロックアップ(手動倍率変更4.1GHz駆動)

今回利用したベンチマークテストはFuturemarkのPCMark7でOSはWindows 10 Home(64ビット版)。結果を見れば明らかだが、動作周波数が高いほどスコアも高い。4.1GHz駆動は、FSBを上げるリスクを冒した上でのオーバークロックであるのに対し、Intel XMPの安全マージンの範囲での最大4GB駆動とスコアに差がない。そうであれば、むしろXMPにまかせたほうがいいだろう。ひたすら性能を追求したいという人は、SAVAGEではなくPREADTORを選択し、とことんまで動作周波数を追及してもいいだろう。

動作クロックに比例してスコアが上がっている。安全性を考えるとXMP動作がよさそうだ。

動作クロックに比例してスコアが上がっている。安全性を考えるとXMP動作がよさそうだ。

以上、「SAVAGE DDR4」を紹介した。ベンチマークからもわかるようにFURYにはない性能的なアドバンテージを「SAVAGE」は持っている(持たされている)といっていいだろう。それを考えると、この新しい「HyperX SAVAGE DDR4」は「普段は安定動作を望み、イザとなったら高クロックでぶん回したい」という人にこそ使ってもらいたい。

HyperX SAVAGE DDR4
Kingston Technology

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