消費税、五輪、PM2.5絡みでも注目される住宅機器関連! 注目銘柄を斬る【ビジネス塾】


住宅設備機器銘柄が好調だ。日本経済の回復基調に加え、リフォーム需要、さらに来春の消費税増税を見越した駆け込み需要で住宅関連が順調に推移していることに加え、2020年に開かれる東京五輪による需要拡大も見込まれている。

大手各社の動向を追ってみた。

■海外進出を本格化するLIXIL
最大手のLIXILグループ<5938>(旧住生活グループ)は、高価格帯のシステムキッチンの販売が好調だ。加えて、「内需型」からの脱皮をめざし、M&A(合併・買収)による活発な海外進出を図っている。当面の目標は、現在2000億円程度である海外売上を、1兆円にすること。2013年3月期の海外事業は営業赤字だが、「攻めの経営」で打開を図る。

2011年には、イタリアのカーテンウォール大手・ペルマスティリーザを約610億円で買収。これに続き、この8月には、北米の衛生陶器最大手・アメリカンスタンダードを約530億円で買収、完全子会社化した。9月末にも、ドイツの水栓金具大手グローエを約3800億円で買収することを発表。資金の一部は、総額500億円規模の社債発行で確保する。グローエの買収は、従来弱かった、水栓金具部門を強化すること。欧州随一のブランドを手に入れたことで、欧州市場への進出を本格化させる。これは、日本政策投資銀行も後押しした。買収はSPC(特別目的会社)を介するため、当面の出資比率は40%程度にとどまるが、5年以内に子会社化する方針だ。

東京五輪に対しては、社長直属のプロジェクトチームを設け、選手村や競技場といった大口需要の受注をめざしている。

株価は10月安値1880円を底に急騰、12月10日には高値2837円を示現した。急騰後だけに押し目を狙いたいが、2900円処のボックス上限を抜ければ、3000円台後半が見えてくる。逆指値も効果的だろう。

■クリナップは保ち合い上放れへ!
クリナップ<7955>は、主力である中価格帯のシステムキッチン販売に加え、システムバスなど水回り製品が好調だ。システムキッチンでは、「クリンレディ」の販売が想定を上回って推移していることで、円安による原材料価格の高騰などのコスト増を吸収。特殊エンボス加工を施した最高級システムキッチン「S.S.」も、その汚れにくさと、「耐用年数30年」をうたった性能で支持を集めている。

来年からは、キッチンリフォームのキャンペーンとして「親孝行っていいね」を行う計画だ。

株価は中段三角保ち合いを形成。25日線と75日、日々線が混然一体となっていおり、早晩、上に放れそうだ。時価近辺を仕込みたい。

■PM2.5関連銘柄のTOTO
TOTO<5332>は、リフォーム向けシステムバスの販売が順調に推移している。また、高級感のある洗面化粧台「オクターブ」も、発売から3カ月で目標の125%を達成するほどに販売が順調だ。

来年には、福岡市内に大建工業<7905>などと共同の住宅設備のショールームを開設する計画。これまでも、東京や大阪で展開しているが、各社の幅広い製品を取りそろえることで、省エネ効果の高いリフォームを提案する狙いだ。2017年度までには、全国8カ所に広げる。

TOTOは、「PM2.5関連銘柄」でもある。光触媒を使い、太陽光や雨などを使った環境浄化技術「ハイドロテクト」は、PM2.5を分解できる。九州を中心とする西日本ではPM2.5被害が深刻であり、同社の中核商品に育つ可能性がある。

株価は年初以降ほぼ一貫として上昇トレンドを形成。目先は高値圏にあるが、25日線に向けた押し目をしっかりと拾ってみたい。

海外の住宅用機器メーカーは衛生陶器などの個別製品に特化した企業が多く、売上高は2000億円未満がほとんどだ。対する日本勢は総合力が高く、売上高で1兆円を超える企業もある。このトータルな提案力発揮できれば、グローバル市場でも優位に立てるだろう。宅機器関連企業の成長に期待したい。

(小沼正則)

※投資の判断、売買は自己責任でお願いいたします。

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