値段優先で判断してはまだダメ! 4Kモニター選びの大事なポイント【デジ通】


3月4日にデルが69,980円の4K解像度を持つ液晶ディスプレイ「Dellプロフェッショナルシリーズ P2815Q 28インチワイドモニタ」(以下、P2815Q)を発売するニュースをお伝えした。同社の4Kモニターとしては3モデル目となるこの製品は、保証体制なども充実したプロフェッショナル向け製品だ。

今回のモデルで用途に応じた4Kモニターのラインナップが、一通りそろった形となる。もちろん今後もラインアップは拡充していく模様だ。ただ、今回の製品は7万円を切っており価格が安い。一般ユーザーで高解像度モニターを求めている人の中には、安いからと購入を検討している人もいるかもしれないが、本製品に限って用途によってははきりと向いていないことがある点に注意してほしい。

■デルの4Kモニターは全部で3モデル
デルがリリースしている4Kモニターは、液晶のサイズが31.5インチの「UP3214Q」、23.8インチの「UP2414Q」、そして今回発表された28インチの「P2815Q」の全部で3モデルだ。

「UP3214Q」と「UP2414Q」はデジタルハイエンドシリーズに該当する。ハイエンドだけあって色域は99% Adobe RGB, 100% sRGBと高性能なスペックだ。たいして今回発表されたP2815Qは、最大表示色が10億7,400万色と十分な発色性能は持っているが84% CIE1976となっている。表現できる色域的には、ハイエンドシリーズのほうが上となる。

またフレームレートに関しても「UP3214Q」と「UP2414Q」が4K解像度時に60Hzで、動画再生やゲームプレイといった動きの激しい表示でも特に問題なく表示できるのに対し、P2815Qは、30Hzとなる。フレームレートが半分になってしまう。特に動きの激しいゲームをプレイすることなどは、無理であると言い切っていいだろう。

視野角度は「UP3214Q」が縦176°/横176°、「UP2414Q」が縦178°/横178°で、今回発表された「P2815Q」は縦160°/横170°と狭い。

つまり、既存のハイエンドな2モデルと比べると、TN液晶を採用しているといった点、高解像度パネルでありながら価格を安くしたいといった思惑のため、価格と性能でトレードオフした部分が結構ある製品ということになる。

視野角を実機で確認すると、他の同液晶方式を採用した製品と同じように下方向からの視野が特に制限される。通常の使用では問題ない視野だが、ピボット機能により縦位置で表示させる場合は注意する必要がある。

巨大なExcelファイルも余裕で表示できる

巨大なExcelファイルも余裕で表示できる

mini-DisplayPortはデイジーチェーン接続ができる

mini-DisplayPortはデイジーチェーン接続ができる

繰り返すが動画やゲームなどの高速な画面書き換えが必要な用途、写真などで色再現性が重要な用途ではハイエンドな2モデルのほうが適していると言える。それではP2815Qは、どういう用途に向くのだろうか? ズバリ2D/3D CADや建築設計といった静止画メイン、または医療事務や電子カルテ表示、デイトレード向けのディスプレイといった画面の書き換え頻度が多くない業務で使う分には問題にならないだろう。

何しろUP3214Qは約30万円、対してP2815Qは7万円を切る価格だ。比べれば非常に魅力的に見える。P2815Qを4台買っても28万円とUP3214Qより2万円も安い。高解像度のモニターを複数並べたいような場合にはコストも抑えられ最適と言える。

P2815Qで巨大なExcelファイルを1画面に表示したいような場合にも問題はない。データーベースを使うような場合、テキストベースの仕事が多い場合、と使いどころは多い。P2815Qに搭載されているmini-DisplayPortはデイジーチェーン接続ができるので、PCからケーブル1本でP2815Qを複数台接続して表示することもできる。

P2815Qの実機は3月14日、15日に秋葉原で行われるデルの展示会でも確認できるが、予算を抑えてある程度割り切った用途で使うならおススメの高解像度モニターだと言えるだろう。購入を予定している人は、まず見て、実際に触れてみることをおススメしたい。

■「見て!触って! 驚異的な色彩、臨場感を体感できる」4Kモニタ+Precision展示会
4Kモニターの発表を記念して、3月14・15日に秋葉原駅内にてデル株式会社とアドビシステムズ株式会社で共同展示会を開催する。ハイエンドモニターのパフォーマンスを最大限に引き出すデルのワークステーション「Precision」やAdobe製品コンテンツも展示され、設計・開発・デジタルデザインに携わるプロフェッショナルから、高解像度の動画像編集を趣味に持たれているユーザーまで、4Kモニターとワークステーションがもたらす驚愕の臨場感を生で体感できる。

■展示会概要
日時:3月14日(土)12:00~20:00、3月15日(日)12:00 ~ 19:00
場所:JR秋葉原駅 電気街口改札内イベントスペース
展示製品:Dell 4Kモニタ、Dell Precision、Adobe 製品、Autodesk 製品、3D Systems Cube 3Dプリンタほか
来場特典:先着500名にホワイトデー特製スイーツをプレゼント。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

ITライフハック
ITライフハック Twitter
ITライフハック Facebook

デジ通の記事をもっと見る
引っ越しソフトを無料配布! マイクロソフトがWindows XPからの移行ソフトを無償で提供
無料で相談!日本マイクロソフトがWindows XPとOffice 2003の乗り換え窓口を開設
原発に代わる代替エネルギーに向け盛り上がりを見せる太陽光発電の技術
ライター用のブタンガスで発電する燃料電池!独eZelleronの「eZell」が凄い
タフさだけじゃない! パナソニックの頑丈タブレット「TOUGHPAD」が持つ特徴



関連記事

コメントは利用できません。

カテゴリー

アーカイブ

ページ上部へ戻る