■はじめに
2015年6月30日(日本では恐らく7月1日)にiBooks Authorがアップデートしました。iBooks Authorのアップデート内容を見ると以下のような記載があります。
・iPhone用iBooksで、iBooks Authorで作成されたブックがサポートされます
・新しいePubテンプレートを使って、マルチタッチブックを作成できます
今回はこれらについて少し触れてみようと思うのですが、まず今回分は前編ということでiPhone用iBooksのiBooks Authorブック対応について紹介し、近日中に後編としてePubテンプレートに関するトピックを紹介しようと考えています。その代わりと言ってはなんですが、通常スケジュールの7/23はお休みをいただきます。日程がイレギュラーですが、ご了解ください。
■iPhone用iBooksでの閲覧
iBooks Authorで制作したマルチタッチブックがiPhoneでも閲覧できるようになる、というのは本ブログno
「個人でも可能な電子出版 誰でもできる電子出版 第四十九回」でもお知らせしました。
そのときの情報では基本的にiBooks Authorブックへの対応は、iOS8.4のアップデートに伴うものとのことでした。
個人的には、それに加えてブックデータに何かしらの設定が必要になるのではないか、と考えていました。iBooks Authorをアップデートしてまずチェックしたのは、そのための設定に関する部分です。
しかし特にiPhone対応に関する設定などは無さそうで、実際に以前制作したiBooks AuthorブックをiOS8.4のiPhone版iBooksで開いたら問題なく表示できました。
ということで、iPhone対応についてはiBooks Authorのアップデートは無関係な気がします。
表示確認に使ったのは古い機種のiPhone4Sです。以前紹介した情報ではiPhone6/6Plus対応としか確認できなかったので、それ以前の機種ではどうか気になっていたのですが、iOS8.4がインストールできれば大丈夫な可能性が高そうです。
表示に関しては、少し従来と変更された部分があったので紹介します。
なお、表示確認に使ったのは横向き固定レイアウト+縦向きリフロー対応のブックです。
・デバイスの向きとブックの表示
横向き固定レイアウト+縦向きリフローのブックは、従来は横向きでは固定レイアウト表示で、縦向きにするとリフロー表示に切り替わる動作でした。
固定レイアウトとリフローを切り替えるのが、デバイスの向きではなくUI上のスイッチになりました。
フォント関連のボタンに[スクロール表示]というスイッチがあり、これを有効に(右に移動)するとリフロー表示に切り替わり、文字サイズの変更も可能になります。
これはiOS8.4搭載のiPad版iBooksでも同様です。iPadでもiPhoneでも、デバイスの向きに関わらず固定レイアウト、リフローを自由に切り替えられるようになったということです。
これは普通に合理的な気がします。いいんじゃないでしょうか。
・ウィジェットの表示
iPhoneではウィジェット類は必ず最大化表示されます。次の画像はギャラリーウィジェットです、スワイプで複数の画像を切り替えられます。
・リフロー表示時のウィジェットサムネイルの表示位置
iPadでリフロー表示すると、ウィジェットなどのフローティング配置のオブジェクトは、左側のスペースにサムネイル表示されます。
iPhoneでは表示スペースの狭さから左側にスペースが取れなかったようで、テキストブロックの下に配置されるようになっています。
場合によってはウィジェットのサムネイルが連続で表示され、文章が読みにくくなる可能性もありますが、今のところ仕方ないといったところでしょうか。
その他、用語集の用語へのリンクの扱い(表示)に違いがありますが、これについてはEPUBテンプレートの方でご紹介しましょう。
■最後に
冒頭でもお知らせした通り、本記事の後編は近日中にリリースします。で、通常スケジュールの次回7/23はお休みをいただき、その次は8/6予定とさせていただきます。7月の別案件の兼ね合いで、勝手ながらこのような形にさせていただきます。
さて、少し宣伝を。
トレーニングスクール ロクナナワークショップにて、9月に新講座をスタートすることになりました。
・「Amazon:Kindleストア用写真集講座」です。
この講座では、写真が趣味の方を対象にご自身で撮影された写真データをお持ちいただき、その場でKindle向けの電子写真集を作成し、Kindleストアに入稿するところまで一緒にやっていこう!という講座です。実際には予期せぬトラブルなどで入稿までいけるか成り行き任せのような部分もありますが、一応そこを目指してやっていきます。
講座内容など、確認したいことがございましたらロクナナワークショップお問い合わせフォームよりお送りください。
■著者プロフィール
林 拓也(はやし たくや)
テクニカルライター/トレーニングインストラクター/オーサリングエンジニア
Twitter:@HapHands
Facebook:https://www.facebook.com/takuya.hayashi
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