- 2020-10-28
- カルチャー
- お客様第一を考えたブランド戦略に終わりはない!モバイルオーダー導入による、ファーストキッチンの挑戦 はコメントを受け付けていません
新型コロナウイルス感染症の影響により外食業界は事業環境が激変し、業界の構造の変化が進んでおり、事業変革の対応が必要とされている。そうした状況を踏まえ、株式会社バリューデザインとJNSホールディングス株式会社はファーストキッチン株式会社へ、プリペイドカード「My First Card」を搭載した公式アプリ「WFK Club」の提供を開始した。これに加え、ファーストキッチン株式会社は、キャッシュレス化推進とwithコロナ時代への対応のために、「ウェンディーズ・ファーストキッチン」47店舗(2020年10月現在)に、スマホアプリ「WFK Club」を用いたモバイルオーダーサービスを導入した。「ファーストキッチン」の店舗でも順次導入予定だ。
プレス関係者向けのラウンドテーブルでは、モバイルオーダーを導入するまでの経緯や、顧客を第一に考えた戦略についての説明があった。
■モバイルオーダーは大きな力を発揮する
ウェンディーズ・ファーストキッチンの店舗は東京や大阪、京都といった都心を中心にビジネスを展開している。今年は東京オリンピックが開催されるはずであったが、新型コロナウイルス感染症の影響により延期となった。その結果、インバウンドによる外国人の減少に加え、ビジネスパーソンのリモートワークによる潜在客の減少により、店舗の売上が落ち込んだ。今までの店舗での飲食から自宅で食べるテイクアウト、あるいはデリバリーへのシフトが加速している。
ファーストキッチン株式会社代表取締役社長紫関修氏、
「居酒屋のような夜の飲食は大きな影響を受けていますが、まだ我々のファストフードというのは昼の売上が高いので、居酒屋と比べると新型コロナに対する環境のインパクトは少ないと考えています。ただ、かなりのインパクトは受けています。」
紫関社長によれば、新型コロナウイルス感染症が流行しているなかで、
・デリバリー
・ドライブスルー
この2つは大きな力を発揮している。
ライバル会社であるマクドナルドやモスバーガーでは、これらに力を入れてきたことから、このコロナ禍の中で逆に売上を伸ばした。
ファーストキッチン株式会社代表取締役社長紫関修氏、
「これはなぜかといえば、ひとつはデリバリーによる売上がプラスアルファされています。ベースセールスでいうと、ドライブスルーというのが非常に大きな力を発揮しています。我々の近くにある都心型の店はどうかというと、我々の店に入ってなくてマクドナルドに入っているということはまったくありません。同じロケーションであれば、同じ状況です。」
今までイート・インで7~8割の売上があったが、それが急速にテイクアウトとデリバリーになり、売上構成が変わってきています。そこで何ができるのかを考えたとき、新しいチャレンジとして、今回のモバイルオーダーにつながるというのだ。
イートインは近くに知らない人が座るため、どこか抵抗感がある。人を避ける方法としてテイクアウトがあるものの、これは店舗に並ぶ必要がある。並ばないでテイクアウトする発想が、いわゆるモバイルオーダーだ。モバイルオーダーを利用すれば、店の外でもオーダーができ、なおかつ決済も完了できる。店は商品を取りにくるだけでよい。客と従業員との接点は必要最小限になる。モバイルオーダーについては、2~3年前からの構想であったという。
また4年前から推進しているデジタルサイネージだ。今まで紙で商品の情報を提供していたものをデジタル化する。印刷費が抑えられ、商品のシズル感をより鮮明に出すことができる。デジタルなので、時間ごとに商品のラインナップも瞬時に変えられる。
さらにセルフレジ「KIOSK」の導入により、現金を含めたマルチ決済が可能となる。KIOSKも人との接触を避けるという意味で大きな効果を発揮しており、人件費の削減にもつながっている。日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語に対応しているので、オーダーが簡単に受けられる。
ファーストキッチン株式会社代表取締役社長紫関修氏
「ロイヤルカスタマーを作るためのハウスプリペイドカードも含め、すべてを一体化して、デジタルに一元化する最終段階がモバイルオーダーです。3年前にあった構想の最後が、このモバイルオーダーです。」
ロイヤルカスタマーを囲い込むひとつの施策として、ハウスプリペイドカードを実施し、これもモバイルオーダーに対応する。
コロナ禍の中でデリバリーはチャンスだが、収益面ではあまり効率は良くない。なぜなら、出前館やUber Eatsにフィーを支払う必要があるからだ。こうした業者とはしっかりとタッグをとっていくが、もう一方でイートイン、テイクアウトの売上をあげることが必要になる。このテイクアウトにおいて、モバイルオーダーは大きな力を発揮する。
■お客様第一を考えたブランド戦略
引き続き、ファーストキッチン株式会社取締役川上俊彦氏、バリューデザイン株式会社常務取締役林秀治氏を交えて、ブランド戦略が語られた。
バリューデザイン株式会社常務取締役林秀治氏
「QRコード決済のシステム、ハウスプリペイドのシステム、それぞれ別のシステムになるので、本来であれば2回、システムの開発をしなければなりません。私どもがQRコード決済のシステムをご提供することで、ファーストキッチンさん側の開発は1回で済む、そういったことをご提案させていただきました。」
ファーストキッチンとしては、モバイルオーダーの構想はあったものの、他社が大々的にQRコード決済のキャンペーンを実施していることから、まずはQRコード決済への対応を先に進める必要に迫られ、バリューデザインと手を組んだ。最終的にはハウスプリペイド、モバイルオーダーもすべてバリューデザイン1社だけで完結するに至った。モバイルオーダーは、ユーザーの使い勝手など、きめ細かい部分まで配慮したため、ローンチまでかなりの時間を費やしたという。
ファーストキッチン株式会社代表取締役社長紫関修氏
「お店ですと、わからないときは、スタッフが説明できるチャンスがあります。しかし、モバイルオーダーはそこで完結なので、いろいろなITリテラシーの人のために、なるべく使いやすくてわかりやすいことを考えてくれたと思うし、非常にわかりやすいし、入口としてはよくできているものだと思っています。」
東京オリンピックが予定どおりに開催されたら、モバイルオーダーは4月にリリースされるはずだった。しかし、東京オリンピックが延期になったことで、リリースが後ろ倒しになったが、そのぶんユーザーインターフェイスを作り込むことができ、利便性が増した。
ファーストキッチン株式会社取締役川上俊彦氏
「システム担当としては、モバイルオーダーをリリースして終わりではなく、この先の運用が面白いと思っています。いかにお客様に利便性や楽しさを知っていただけるか、ハウスプリペイドカードにしても、ポイントを貯める楽しさであったり、所有する喜びであったり、お得さであったり、モバイルオーダーであったり、すべてがお客様にとって楽しんでいただけているか常に考え続けること。そして、その実現のために、今までは複数のベンダー様との調整が必要でしたが、それが一元でバリューデザインさんと打ち合わせをすれば、実現できるわけです。販促は、スピードが命ですから。」
通常であれば、システムごとに異なるものを連携する必要があり、ポイントひとつ連携させるにしてもかなり複雑な作業となる。このシステムをバリューデザインが一元管理しているメリットは大きい。ベンダー企業を何社も呼んでそれぞれで合意をとり、システムのつなぎこみをする必要がないぶん、スピーディーに進めることができる。
モバイルオーダーの導入により、客とスタッフとの接点は少なくなるが、オペレーションの負荷がなくなってくるぶん、違うところに人材を投資できる。それがお客様第一を考えたときの新たなチャレンジになる。お客様第一を考えたブランド戦略に終わりはない。
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