- 2019-12-27
- ITビジネス
- 主要メーカーのロボットアームを1つのプラットフォームで集中管理できるOnRobotの「ワンシステムソリューション」 はコメントを受け付けていません
OnRobot Japanは2019年12月18日、東京ビッグサイトで開催された「2019国際ロボット展」にて、国内主要メーカーのロボットアームを1つのプラットフォームで迅速にセットアップし、操作できる統合インターフェイス「ワンシステムソリューション」を発表した。
■協働アプリケーションのためのワンストップショップを目指す
OnRobotはデンマークで設立してから、まだ1年半という若い企業だ。ところが極めて短期間で世界各地に拠点を構築し、急成長を遂げている。ロボット関連の市場としては、現在大きな伸びを見せているのがアジア市場だという。中でも重要な市場となっているのが中国と日本だ。同社の急成長の背景には、ロボットを使った自動化のニーズが非常に大きいことにある。
これまでロボットアームは、特定メーカーの製品を使うと、同じメーカーで全てを揃えたほうが自動化やサポート全般が行いやすかった。しかし、それは代替えや故障による交換などでも、同一メーカー製品を選択しなければならないといった縛りにほかならない。採用するメーカーを変更したりすると全生産ラインごと同じメーカー製のアームに変更する必要があったりと、かなりのコスト負担となっていた。OnRobotの協働アプリケーションが、こうしたメーカー間の縛りを取り払い、様々なメーカー製のロボットアームが混在していても、適切なタスクを割り当てることが可能になる。同社が急成長を遂げた理由は、ここにある。メーカーを問わず、同じタスクを行えるようなロボット用のパーツとアプリケーションを用意しており、様々なロボットアームを混在させつつ、同じタスクを行わせることができる。
またロボット技術はこれまで、ロボット自体の機能や性能に焦点が当たっていたが、今後は優秀なロボットを送り出すことに加え、ロボット配置の柔軟性、これまで以上に多くのタスクを扱えるアプリを増やせるかが重要になってきている。生産ラインを臨機応変に変更したら、そしてロボットも臨機応変に別のタスクを行わせるといった具合だ。
同社のCEOを務めるエンリコ・クログ・アイベルセン氏は、「マーケットは協働ロボットから協働アプリケーションへとシフトしている。各社がその道のりをたどるのは当然だが、私たちがそのお手伝いをしていきたいと考えている」とコメント。
■すべてをまかなえるワンストップショップを目指す
また同社は、協働アプリケーションのためのワンストップショップを目指しているとのことだ。たとえば食料品を例にすると、以前は専門店でないと買えなかったものが、いまでは近所のスーパーですべてそろうようになるといった具合だ。こうなったことで便利な世の中となり、時間とお金が節約できるようになった。
ロボット産業も同じで、「2020年末にはOnRobot ショップ1店で協働型の装置をまかなえるようにしたい。センサーやグリッパー、ビジョンシステムのいずれも、個別の製品を購入するのではなく、設計の段階から協働して使うことを想定されている製品を購入することで、迅速にコストを下げることができる」とアイベルセン氏。
いまでも数多くのアプリケーションや用途が用意されているが、今後は同社の製品で取り扱えるタスクを増やし、アプリケーションを充実させていくとのことだ。
■成長のためにアジアは重要なマーケット
続いて同社のアジア太平洋地域ジェネラルマネージャーであるジェームス・タイラー氏は、アジア上位6位までの市場が世界の70%を占めていることを例に出しながら、同社がビジネスとして成長するためにはアジアで成功することが必要だと述べた。「そのためにはアジアローカルの会社にならなければいけない。グローバルな企業であるとともに、ローカルな企業を目指す」と語る。「各国に拠点を設けるということは、顧客と同じ時差、同じ言語、同じ文化を共有しながらビジネスを展開するということ。各地域のメンバーが営業、マーケティング、技術サポートを展開していく。このためにも日本で発表会を開催した」(タイラー氏)。
今後同社はパートナーと共同で販売や技術サポート、マーケティングサポートをしていくとのこと。パートナーがエンドユーザー向けのトータルソリューションを作り、同社はそれにまつわるサポートをするという位置関係だ。本社から遠隔操作するのではなく、顧客に一歩近づいた形でのサポートとなる。「これによりどのような国に顧客がいても、顧客に近しい形でニーズに応えられる」とタイラー氏は述べた。
■日本におけるサポートは日本語で行う
OnRobot Japanのカントリーセールスマネージャーである鈴木孝氏は、日本のオフィスが今年5月に設立されたことを紹介。鈴木氏のほか、日本にはエンジニアとマーケティング担当者も置かれるとのこと。「顧客からは日本語のままメールをもらい、それを英訳して本社に送る。本社から帰ってきた内容は日本語でお答えする。マニュアルやカタログも日本語のものを用意する」(鈴木氏)。先ほど述べたとおり、同社の製品はパートナーを通じての販売となるが、これまで8社がパートナーとなったとのこと。2020年以降は一気にパートナーを増やす予定だ。
生産ラインの自動化を考えている企業にとって、OnRobotはかなり魅力的であると言え、なるべくコストを低く自動化したいと考えているのであれば、同社製品が選択の最右翼と言っていいだろう。
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