図面がなくても試作できる!京都試作ネットが支えるハードウェア開発【IVS2026】

  • 2026-9-4
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アイデアはあるが、図面や製造のノウハウがなく、試作品を作れない――。そんなハードウェアスタートアップの課題に応えるのが、京都府内のものづくり企業43社が連携する「Shisaku(京都試作ネット)」だ。IVS2026の会場で披露されたポータブル風力発電機や熱電発電システムの試作事例から、構想を素早く形に変えるプロ集団の強みに迫る。

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■「図面がないと作れない」を覆す提案力とスピード
ハードウェア開発において、最初の壁となるのが試作だ。製造現場では、図面がない段階では対応できないと断られる場合も少なくない。しかし、Shisaku(京都試作ネット)は「顧客の思いを素早く形に変える」をコンセプトに掲げている。

ブースでは、具体的な支援事例として、株式会社パンタレイが開発するポータブル風力発電機の試作機が紹介されていた。アイデアをもとに、3D設計から部品加工、組み立て、試作機の製作までを一貫して支援した事例だ。図面がない段階から相談できる体制を整え、構想の具体化をサポートしているという。

京都府内の企業43社が連携することで、機械加工や樹脂成形、板金、電子基板実装、治工具、メカトロニクス、ロボット、IoTなど、多岐にわたる技術をワンストップで提供できることが大きな強みだ。

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■未利用熱を電力に変える「熱電発電システム」の試作
さらに、ブースで目を引いたのが「熱電発電に関する試作」の展示だ。パイプと外気の温度差を利用する排熱発電システムが展示され、これまで利用されずに捨てられていた熱エネルギーを電力へ変換する技術が紹介されていた。

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展示によると、発電能力は560mWで、1ユニット当たり140mWだ。発電した電力を蓄電池へ充電し、非常時の電源として利用できるほか、IoT通信モジュールやセンサーへの給電、LTE回線を利用したクラウドへのデータ送信、ライトの点灯などを想定している。

また、工場設備の排熱だけでなく、地熱や水温、体温など、さまざまな熱源を利用したシステムの試作にも対応しているという。既存の部材や技術を活用し、システム全体のコストを抑える提案も行っている。性能だけでなく、実用性やコストまで考慮した開発支援が特徴だ。

■ハードウェア開発を支える「試作のプロ集団」
今回、Shisakuは京都市勧業館「みやこめっせ」に設けられた展示エリアに出展した。多くのスタートアップ関係者や事業会社の担当者が足を止め、試作品や展示パネルに見入っていた。

ソフトウェアが中心になりやすいスタートアップ・エコシステムにおいても、ハードウェアやディープテックの社会実装には「実際にモノを作る」工程が欠かせない。一方、試作には専門知識や企業間のネットワーク、高度な加工技術が求められる。

京都試作ネットは、こうした課題に対し、図面がない段階から相談できる試作パートナーとして、アイデアを素早く形に変える体制を構築している。IVS2026でも、ハードウェア開発に挑戦するスタートアップにとって、心強い存在であることを印象づけていた。

一般社団法人 京都試作ネット

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新井 一
東洋経済新報社
2025-02-19

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