多様性と未来へのビジョンを体感!インドネシアパビリオンが描く「自然・文化・都市」【大阪・関西万博】

  • 2025-7-22
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大阪・関西万博2025にて、インドネシア共和国は圧倒的なスケールと緻密な演出で自国の魅力を紹介するパビリオンを展開している。テーマは「自然・文化・未来都市」の融合。熱帯雨林を模したリアルな展示から、伝統工芸、未来都市のビジョンまで、来場者は五感を通して“ヌサンタラ(インドネシアの諸島世界)”を体験できる。

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〇 驚異の生態系を再現したネイチャーゾーン
インドネシアパビリオンの中核をなすのは、熱帯雨林を再現したネイチャーエリアだ。ここでは、本物の熱帯植物が息づく空間に、精巧な動物模型が展示されている。

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特に注目を集めていたのは、インドネシアの希少種をモチーフとしたアート作品《ジャワヒョウ(Javan Leopard)》だ。ナウファル・アプサール氏によるこの作品は、インドネシアの伝統的バティック模様「メガメンドゥン(雲の空模様)」を背景に、ジャワヒョウの生息域の縮小という現代の環境問題を象徴的に描いている。

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希少動物であるジャワヒョウは、現在インドネシア東ジャワのラウィン=イジェン森林でわずか350〜700頭程度が生息しており、約80台のカメラによってモニタリングされているという。

スマトラトラやコモドドラゴンなどの作品も展示されていた。

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〇 圧巻の没入体験──インドネシアを五感で旅する360度映像
来場者の心を一気にインドネシアへと誘うのが、パビリオン中央に設けられた大型360度スクリーンによる映像展示ゾーンだ。

ここでは、インドネシア各地の壮大な自然風景や文化的モチーフが、壁一面に映し出される。あるシーンでは、バティック模様を取り入れた幻想的なアニメーションが展開され、インドネシア神話に登場する動植物や精霊たちが舞う。まるで伝統工芸の中に入り込んだような視覚体験が楽しめる。

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一方、別のシーンでは、南国の海に沈む夕陽が映し出され、波の音とともに静かに心を癒す演出が行われる。スクリーンと床面が一体化した映像空間は、観る者の感情を包み込むようにデザインされており、まるでその場所に降り立ったかのような没入感を生む。

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このセクションは、インドネシアの「多様性」と「一体感」というテーマを視覚と感情で体感する重要なパートであり、来場者に深い印象を残すハイライトの一つとなっている。

〇 多民族国家が誇る伝統と精神文化
カルチャーエリアでは、インドネシアの多様な文化を象徴する工芸品やテキスタイルが展示されている。

西ジャワ地方で用いられてきた伝統的な山刀「ゴロック(Golok)」は、狩猟や農作業だけでなく儀式や武道にも用いられてきた実用兼儀礼の道具。緩やかに湾曲した刃先と、握りやすく装飾が施された柄が特徴であり、地域ごとに微妙に形状が異なるという。

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また、スラウェシ島のムナ島で伝統的に織られてきた「ソビ織り(Tenun Sobi)」も紹介されていた。フローティング・ウェフト技法を使って表面にのみ模様を浮き上がらせるこの布は、地元の植物性染料で染められ、ブギス族の女性たちによって一枚一枚手織りされる。

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さらに、「Faces of Nusantara」と題された写真シリーズでは、ヌサンタラ諸島に生きる多様な人々の表情を通じて、“国の顔”とは何かを問いかけていた。

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〇 影絵と未来が交差する、心揺さぶるショートムービー

大型スクリーンでは、インドネシアの伝統芸能「ワヤン・クリ(Wayang Kulit/影絵芝居)」を現代映像技術で再構築したショートムービー作品も上映されている。

この映像は、光と影、音楽とナレーションを駆使して、かつてから語り継がれてきた神話や物語を表現したもの。動物や神々、英雄の影がスクリーンを舞い、そこに現代的なグラフィックスが重なることで、伝統とテクノロジーの融合を体感できる構成になっている。

観客は、まるでワヤンのスクリーン(Kelir)の中に入り込んだかのような没入感を味わいながら、インドネシアの文化的ルーツと未来への想いに触れることができる。
この演出は、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」とも呼応しており、観る者の感性に深く訴えかける構成となっている。

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〇 未来都市への挑戦と、くつろぎのひととき

未来ゾーンでは、インドネシア政府が開発を進める新首都「ヌサンタラ」の都市構想がジオラマで紹介されており、環境配慮・スマートテクノロジー・文化融合の理念を来場者に伝えている。

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リラクシングエリアでは飲食やギフト販売も行われており、展示と体験がシームレスにつながっているのが印象的だった。

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インドネシアパビリオン公式サイト

大阪・関西万博 公式サイト
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変容するインドネシア
小川忠
めこん
2023-12-10



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